第四話 「人一倍努力し、多額の投資をしないと合格できないのか?」
こんな人はいませんか?「試験範囲が膨大なんです。そんなにたくさんの問題をひとつひとつどの問題が自分の弱点で、もうやらなくてもよい問題はどれかということを管理することは私には至難の業です。また、やろうとも思いません。そんな管理をするよりも、目先の問題をどんどん解いたほうが時間の節約になる。」
「買ったソフトが、もう出来る問題も繰り返しやらせる仕組になっているから、自分が弱点と思う問題だけ勉強できないのです。」
「システムをこなしさえすれば、合格できると信じてやってきたが、もう十分習熟したとシステムが太鼓判を押した問題に関して、全く自信がもてないし、再度学習してみると、ほとんど正解できない。問題が何をいっているのかすら、よく理解できない。」
「意志の弱い自分には、全問正解しないと次に進めないシステムは、はじめはいいと思ったが、今ではわずらわしいだけ。何も身に付いていない。このままでは、投資したお金を捨てることになるので、なんとか終わらせないと。」
「そのシステムで、1ヶ月に決められた問題量をこなすだけで、精一杯。やはり、勤めながらの資格取得はほとんど不可能なのか?」
数々の悪循環の好例です。
こんな方法で、試験に合格できるはずがありません。
私には、あなたの能力が他の人に比べて著しく劣っているとは、とても思えないのです。それから、あなたの意志が弱かっただけとも言い切れないと思うのです。
では、失敗してしまった方、その原因はなんだと思いますか?
この基本的なポイントを意識してそれを確実に実行できるかどうかが、あなたが合格するか、失敗するかの分かれ目になります。
たとえば、そのポイントは「弱点だけに的を絞った学習をする」というようなことです。
「そんなことは分かっているが、でも、限られた時間の中で、そこまで管理するのが難しいのです。一般的にいわれている学習法は理に適っていると思うし、よく納得できる。自分もそのように学習したいとは思う。時間さえあれば…」
…そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、うまい方法があるのです。
私は、このしくみを本当に知りたいと思っている方だけに、お伝えしたいと思います。
なぜなら、このしくみを真剣に取り入れて、確実に実践していただける方でなければ、私がどんなに有用な情報を差し上げても、「絵に描いた餅」=「疑わしい情報」になってしまう可能性があるからです。
「試験勉強」というと、睡眠時間を削って、遊ぶことや家族との団欒もがまんして、机にかじりついて、勉強しなければ合格しない・・・というようなイメージがわいてきませんか?
また、時間がない人は、世の中に出回っている学習ソフトや暗記術や勉強の本などを買いあさったり、予備校での講座をたくさん受けたりと、お金をかけなければ合格しない・・・と頭のどこかで思い込んでいませんか?
もし、それが試験合格への絶対の鉄則であるなら、ハッキリいって私にはできません。
やっぱり、私は家族と楽しく過ごすための時間や、休日にのんびりするための時間ぐらい欲しいのです。それから、試験のために多くの出費をするよりは、家族のために使いたいと思うからです。
でも、よく周りをみてください!
試験合格者の中には、少ない努力と少ない投資金額でも結果を出している人も少なくないはずです。彼らが合格できた理由は単に頭が良かったからとはいえないでしょう。
ということは、流した汗と合格率は比例しない。そして、投資した金額と合格率も比例しないのです。もう無駄な時間とお金を使うことはやめましょう。
試験に合格するには、「どういう手法で勉強に取り組んだのか?」という「方法論」がポイントとなるのです。方法論さえ間違っていなければ、最小の努力と投資額で結果を出すことができるのです。
そうはいうけれど、「えっ、本当?そんなうまい方法なんてあるんですか?」という声があちこちから聞こえてきそうです。
いえいえ、ですが、「より安く、効率よく覚え、実力がついていると実感でき、そして、合格すること」は可能なんです。前回までの実際に私が行政書士試験に合格するまでの奮闘努力した実体験の中から編み出した方法をお教えしましょう。
我々が2人とも合格することができた理由はなんでしょうか?
1つは、前回で少しふれたと思いますが、「動機づけがしっかりしていた」ことです。
我々は、行政書士という業務に魅力を感じ、この資格をとることで、「自分の人生がどんなに輝くのか」、「自分の生活にどんなメリットがあるのか」、「自分の生活がどう変わるのか」ということを、いろいろ考え、いろいろ調べ、そして、語り合いました。
そうすることで、辛い試験勉強に打ち勝つだけの忍耐力を維持することができたのです。試験合格への初めの一歩は、こうした自分なりに資格試験に挑戦することの意味をしっかりと抱くことなのです。
そして、2つめは、「学習の正しい順序と方法をとったこと」です。勉強の正しい順序とは、どういうことか?
1「その試験の大枠を捉える学習をする。」
2「どの問題が試験に出る問題で、その問題はどうやって解くのか?」を知る学習をする。
3「不足している知識を補いながら、出来ない問題を反復学習する。」ことです。
これが、正しい勉強の順番であり、最も効率的な手順です。試験の大枠を捉えずして、問題ばかり解いても、成果があがらないし、どんな問題が試験にでるのか知らずして、反復学習していても、合格できないのです。
そして、正しい順番をふまえた、勉強の正しいやり方とはどういうことなのか?
続きをお話しましょう。
第五話へ続く